日弁連(日本弁護士連合会)は2010年4月10に「身の周りの電磁波とその問題」をテーマにシンポ
ジュームを開催しました。定員120名の会場に全国から291名が参加し、会場は熱気で包まれました。
日弁連の会長は最後の挨拶で、これまでの講演会やシンポジュームでこれほど沢山の来場者は例が
ないと話され、電磁波問題に対する市民の関心と日弁連に対する期待が如何に高いかが伺えます。
プログラムの内容は電磁波過敏症患者の報告に始まり、パネリストの坂部貢氏(都会大学医学部
教授)の「医学会における研究状況、過敏症者の医療について」、加藤やすこ氏(VOC-電磁波対策
研究会代表)の「国内での電磁波過敏症患者の実態調査報告」、新城哲治氏(医師・携帯電波塔から
の電磁波に因る被害者)、パネルディスカッションでは主に本道毅氏(東北大学大学院理学研究科助教)
と大久保千代次氏(電磁界情報センター所長)との議論(電磁波の有害性を肯定・否定する研究とそれ
らの評価における問題点)などでした。
今後の課題としては「有害性が不確実な問題をどう取り扱うべきか」という点について予防原則・
予防的取り組みのための前提となる社会の合意を形成するには、公正でオープンな研究や実態調査
(携帯基地局設置などの際における)アセスメント手続き等がきちんとなされることが必要と思われると
コーディネーターの浅野明子弁護士は後述されています。