2005年7月22日、多くのドイツの医師たちが、パルス化された高周波・電磁波(マイクロ波)による健康への悪影響が
  明らかになったとし、自分たちの行った調査例をドイツ首相であるエドムンド・ストイバー博士に送りました。
  その健康影響は、頭痛・疲労・集中力欠如・めまい等を含んでいて、驚くべき影響を示しています。

  <翻訳: 電磁波環境研究所 所長、荻野晃也 博士>

  次の文章は、医師グループの代表を務めている医師バルトマン・セルザム博士によって書かれた書簡です。

  この報告書は、原因を確かめる医者がいなかったために、何年もの間 パルス状の高周波・電磁場によって
  人々が病気になっていたことを示しています。それが原因で、家庭において、あるいは仕事場において、
  高周波に被曝している人々は苦しんできていて、そして今も苦しんでいます。彼らは、治療を受けていません。
  決定的な「効果的な」治療は、被曝することを終わらせることです。

  放射線防御委員会によって、メディアの中で絶えず繰り返されている主張は、現在において正当だとされている
  限界値以下では健康障害の証明はされていないということでした。たいていの医者は(一年前の私もそうでしたが)、
  証明できない多くの病気と高周波・放射線との間の関係に気付かなかったということに責任があります。
  1基の携帯電話基地局においてすら、人々の健康状態がどのようになっているのかという調査が実行されたことを
  私たち医者は知りません(一度も健康調査がされてこなかった)。
  そんな状況ですから、放射線防御委員会の発表した2001年の評価は、科学的根拠を持ってはいないのです。

  オーバーフランケンで、自分たちの家で長期にわたって[放射線]に被曝している356人の人々の医学的な苦情を、
  丁度 今 私たちは評価し終わったところです。


  • パルス状の高周波・電磁場は、(携帯電話・基地局から、またケーブルのないDECT携帯電話から、
    または他の人たちの間で)特有な症状が複合しているような、以前にはまったく知られていないような
    新しい病気を引き起こします。
  • 人々が、次のような症状の内の1つか、複数か、或いは多数かで苦しんでいます。それらの症状は:
    睡眠障害・疲労・集中力欠如・物忘れ・言葉のでない状態・うつ傾向・耳鳴り・聴力の急喪失・聴力低下・
    めまい・鼻血・視覚障害・頻繁な感染症・静脈洞炎・関節と手足の痛み・神経と筋肉の痛み・しびれ・
    心臓リズム障害・血圧上昇・ホルモン障害・寝汗・吐き気などです。
  • 電力密度が、わずか0.001μW/cm2 (わずか、平均で電場が0.06V/m)でさえ、多くの人は
    病気になっています。
  • 症状は被曝することによる時間的空間的な関係で起ります。 それは主観的な感受性による障害
    ではありません。身体リズムの障害、聴覚障害、突然の聴力喪失、視力喪失、血圧上昇、ホルモン障害、
    集中力欠如や他の障害が、科学的客観的な方法を使用して証明することが出来ます。

  • 幾つかの健康障害は、被曝が無くなると(例えば、DECT携帯電話の撤去、一時的な家からの移動、
    永久的な引越し、遮蔽すること)直ちに消滅します。

  このように被曝の拡大は早急に止められなくてはなりません。人々が電力密度で、0.001μW/cm2以上の
  電磁場に曝されるような場所のある携帯電話基地局は止められなくてはなりません。
  DECT携帯電話は変更されるべきです。
  影響を受ける人々、関係者および医者などが一緒になって、自分たち自身のことに関心を持つべきですし、
  そして[この問題の解決に向かって]自分たちの全てのエネルギーを持って、お互いに働かねばなりません。
  長い時間、家にいる356人の症状評価は、μW/u程度(0.0001μW/cm2程度)の電力密度に相当するパルス状
  高周波の電磁場被曝の評価でもあります。

  序文・・・ 高周波電磁場の影響下での記録された健康被害 バルトマン・セルザム博士

  評価の結果は下記の通りです。(*グラフの下に、「症状グループ」の定義が書かれていますので参照して下さい)。
  それは、示されたレベルを説明するのに役立ちます。電力密度・電場の値はおよそ次ぎのように対応しています。


 ● 10μW/u (訳注: = 0.001μW/cm2) = 0.06V/m 平均
 ● 100μW/u (訳注: = 0.01μW/cm2) = 0.2V/m 平均
 ● 1000μW/u (訳注: = 0.1μW/cm2) = 0.6V/m 平均

 「症状グループ」は次のように定義されています。
グループ 1 症状なし
グループ 2 睡眠障害、疲労、うつ傾向
グループ 3 頭痛、不眠、ぼんやり状態、集中力欠如、物忘れ、学習困難、言葉のでない状態
グループ 4 頻繁な感染症、静脈洞炎、リンパ節の腫れ、関節と手足の痛み、神経や筋肉の痛み、
しびれ又はひりひりする、アレルギー
グループ 5 耳鳴り、聴力低下、聴力の急喪失、めまい、平衡感覚欠如、視覚障害、目炎症、目が乾く
グループ 6 瀕拍状況、断続的高血圧、意気消沈
グループ 7 他の症状 (ホルモン障害、甲状腺異常、寝汗、多排尿、体重増加、吐き気、食欲不振、鼻血、
皮膚病、腫瘍、糖尿病)

  真実であれば、この調査結果は非常に明瞭な傾向です。電力密度が0.001μW/cm2以下であれば、サンプル数
  (37人)中の70%は影響を受けないのです。電力密度が0.01μW/cm2以上であれば、サンプル数(172人)の内で
  健康への悪影響が見られなかったのは、たったの5〜6%でした。典型的な携帯電波タワーからの電磁場に曝される
  これらの強度レベルが、どのように解釈されるかを知るために、どうかこのグラフを見て下さい。

  マイクロ波信号は400メートル以内では、しばしば0.6V/m (0.1μW/cm2)よりも高いのです!
  日常生活で我々を取り巻いているパルス状マイクロ波技術と良く似ている技術が原因での潜在的な悪い健康効果
  を支持するような更なる証拠もあります。医者仲間の間でも、その問題への関心が大きく広がってきています。
  そして、その問題に現実に直面している人々が、最初に身の回りで経験していることに心を留めておく
  必要があります。資格を持つ専門家の多くが、独立に同じ傾向を見出していると思われますので、実験的に
  比較検討することが出来ないことを理由にして、証拠を捨ててしまわないことが重要です。
  少なくとも、この点を明らかにするためにも、更なる組織的な研究がなされるべきです。